「人体の内外表面形状すべてをリアルタイム計測するシステム」

技術紹介

技術紹介 相関図

計測装置アルゴリズム計測応用技術

波線グリッドパターン計測

波線グリッドパターン形状計測法

図1

波線グリッドパターン形状計測法

構造化光を投影する形状計測法のうち,空間符号化法は単一画像から形状復元する手法であるため,動物体を高フレームレートで計測するのに適している.従来は色情報を利用する手法やグリッドパターンによるものなど様々に提案されているが,これまで,曖昧性や密度低下の問題を解決できていない.そこで,単色の波線によるグリッドパターンを用いることでこれを解決する.

本手法では,図1の模式図のように単色の波線パターンをプロジェクタから投影し,カメラで撮影した1枚の画像から形状計測を行うシステムである.投影するパターンは図2に示すように縦横の正弦波で構成されている.波線の波長と直交する線の間隔をずらすことで交差する位置の波の位相が異なるように線を配置することで,交点付近の線形状が異なり,交点を区別するための情報として利用する.

本手法は,まず線検出処理によって物体表面に投影された波線を検出し,線がどのようにつながっているかを示す交点グラフを作成する.各交点は,投影したパターンと撮影したカメラ画像で1対1に対応するので,belief propagationによって交点の組み合わせを最適化し,投影パターンと画像の各交点の対応を決定する.対応が決まると三角測量によって交点の3次元位置を計算する.最後に,画像の全ての画素について交点を補間し,計算した形状が画像と一致するように最適化し,高密度な形状を生成する.図3は左から,入力画像,線検出によって生成した交点グラフ,交点の3次元位置を計算した結果,全画素について3次元位置を計算して得られた形状である.

投影する波線グリッドパターン

図2

投影する波線グリッドパターン

3次元位置を計算した結果(左から入力画像,線検出結果,交点の形状,密な形状)

図3

3次元位置を計算した結果(左から入力画像,線検出結果,交点の形状,密な形状)

動画1:ボールを打つシーンの形状計測結果

動画2:バウンドするボールの形状計測結果

動画3:水面の波の形状計測結果

Multi View System

Multi Viewシステムの概要

図1

Multi Viewシステムの概要

投影パターン

図2

投影パターン

本研究は,我々が行っている研究の一つであるoneshot scanを複数台のカメラ・プロジェクタシステムに応用したものである.アクティブな手法による全周計測はプロジェクタから投影されるパターンが重なってしまうといった理由から実現は容易ではなかった.本研究では各プロジェクタから二色の平行な直線状のパターンを投影することでそれらの問題を解消している.また,安定してパターンの検出を行うため赤ベースと青ベースの2種類のパターンを使用している(図2).

本研究ではカメラとプロジェクタをそれぞれ6台ずつ使用して行う.カメラ・プロジェクタは図1のように配置する.各プロジェクタからは図2の左と右の2つのパターンをオブジェクトに投影し,各カメラでキャプチャする(図3).その際に同じ色のパターンが重ならないようにプロジェクタを回転して行う.次にキャプチャした画像から各プロジェクタから投影したパターンの検出を行う(図4).最後に検出した線情報を用いて3次元復元を行う(図5).

投影結果

図3

投影結果

パターン検出結果

図4

パターン検出結果

復元結果

図5

復元結果

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